TDK、ワイヤレス充電向け薄型パターンコイル

キーデバイス

2023年10月16日(月曜日)

TDK株式会社は、CEATEC 2023でモバイル機器（スマートフォン）ワイヤレス充電向け薄型パターンコイルを展示する。
露光／エッチング技術を使わずに、アキレス株式会社のナノ分散ポリピロール液を用いためっき処理技術とTDKのプロセス技術により、従来巻線でつくられていたワイヤレス充電コイルを薄膜フィルム上の厚膜の銅パターンで製造可能とし、TDK独自の高特性磁性材料を用いたことで、0.76㎜の薄型化を実現した。さらに、パターンを独自の最適コイル形状とすることで、カバーできる充電エリアを拡大した。

近年、スマートフォンをはじめとしたモバイル機器のワイヤレス充電の普及に伴い、例えば、自動車内などをはじめとした“置くだけ充電”の需要が高まっている。TDKが開発した製品は、従来の巻線充電コイル（3.8㎜）に比べて約5分の1という飛躍的な薄型化を実現し、これにより、あらゆる場所へのワイヤレスチャージャー設置を可能とする。加えて、従来の巻線ではコイルが3つ必要だったが、コイルが1つになることにより、制御回路の小型化にも貢献する。このTDK独自のコイル形状については、Qi規格団体の認定を受け、Qi（ワイヤレス充電標準規格）に適合している。