CEATECニュース
【CEATEC 2026】西日本旅客鉄道株式会社、デジタルと共創で地域の未来を創る
CEATEC 2026
General Exhibits
2026年10月16日(金曜日)
JR西日本グループはCEATECの展示ブースにおいて、「共創」と「挑戦」をテーマに、デジタル技術やデータ活用を軸とした取り組みを紹介。会場ではモビリティ、生活サービス、地域インフラの3領域を中心に、グループ企業や自治体、外部パートナーとの共創事例を展示。鉄道事業で培った技術や顧客接点を活用しながら、地域社会の持続的な発展を支える新たな価値創出への挑戦を発信した。
■コロナ禍を契機に加速したデジタル戦略
今回の出展は、JR西日本グループのデジタル領域を担う部門を中心に構成された。グループ会社だけでなく、外部パートナーとの連携によって実現した展示となっており、約2年ぶりのCEATEC出展となる。同社では、コロナ禍による鉄道利用者の大幅な減少を契機に、鉄道事業だけに依存しない新たな成長戦略の必要性を改めて認識したという。その中で、デジタル技術やデータ活用を通じて利用者一人ひとりに最適なサービスを提供する取り組みを本格化。現在は鉄道の枠を超え、さまざまな分野でデジタル化とサービス高度化を進めている。2026年度からスタートした新たな中期経営計画では、「共創」と「挑戦」を重要なキーワードに掲げ、今回の展示では、その方針を象徴する取り組みとして、企業や自治体と連携しながら進めている事例を紹介した。
■モビリティを起点に移動の課題解決へ
モビリティ分野では、鉄道を中心にしながらも、バスなどの二次交通や各種予約サービスを含めたシームレスな移動体験の実現を目指している。単なる鉄道輸送にとどまらず、人々の移動全体を支えるサービス基盤を構築することで、より安全で利便性の高い移動環境の提供に取り組む。また、交通系ICカード「ICOCA」を軸としたサービス拡大も進めている。従来の乗車券機能や電子マネー決済に加え、クレジット決済やコード決済サービスなどを展開してきた同社だが、近年はさらに金融サービス領域への拡大を推進。りそなグループとの連携を通じ、地域住民の日常生活を支える金融サービスの提供も視野に入れている。また、都市部では交通と決済サービスのデジタル化が進んでいる一方、地方部では依然として環境整備が課題となる地域も少なくない。そのため、鉄道、バス、決済サービスを一体的に整備することで、地域全体の利便性向上を図る考えだ。
■鉄道保守技術を他業界へ展開
会場では、実際にサービスとして提供している技術も紹介している。代表的な展示の一つが、鉄道設備の保守管理を支援する「レールモニター」や「デジタルレールマップ」だ。これらは線路設備の状態把握や保守業務の効率化を支援するソリューションとして活用されており、JR西日本エリアだけでなく、他の鉄道事業者にも導入が進んでいるという。
また、鉄道事業で培ったノウハウを他業界へ展開する取り組みにも力を入れており、その一例として紹介されたのが、画像解析と生成AIを活用した点検支援ソリューションだ。カメラで撮影した画像をAIが解析し、異常の有無を自動的に判定する仕組みである。もともとは駅や鉄道設備の監視・確認業務で培われた技術だが、現在は工場や各種施設における品質管理や設備点検への応用を進めている。人手不足が課題となる現場において、目視確認業務の負担軽減や点検品質の向上が期待されている。
■AIと気象データでインフラ管理を高度化
インフラ分野では、気象情報会社ウェザーニューズとの連携による取り組みも紹介した。鉄道事業は天候の影響を受けやすく、近年は豪雨や猛暑など異常気象への対応が重要な経営課題となっており、気象データとAI技術を組み合わせることで、設備状態の監視や運行管理の高度化に取り組んでいる。蓄積されたデータを分析し、設備異常やリスクの兆候を早期に把握することで、より効率的な保守運用の実現を目指している。今後は鉄道分野だけでなく、幅広いインフラ管理への展開も視野に入れているという。
■地域とともに成長する共創モデルを目指して
JR西日本グループの事業エリアは関西、北陸、中国地方に広がる。しかし今回紹介した取り組みは、自社エリア内に限定されたものではない。交通インフラを長年支えてきた企業としての知見や信頼を生かしながら、自治体や企業と連携し、地域課題の解決に取り組んでいる。鉄道、金融、生活サービス、インフラというそれぞれの領域をデジタル技術で結び付けることで、新たな価値を創出しようとしている。今回の展示からは、JR西日本グループが単なる鉄道会社ではなく、地域社会全体を支えるプラットフォーム企業へと進化しようとしている姿がうかがえた。共創とデータ活用を原動力に、地域の未来づくりに向けた挑戦が今後さらに加速していきそうだ。
CEATEC 2026
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