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東海大学 小坂研究室、新生児育児の“大変さ”が体現できるロボット「CryingBaby」をCEATEC 2025で初出展
2025年10月6日(月曜日)
「CryingBaby」は、実ミルクの授乳からげっぷ、排泄、夜泣き、寝かしつけまでの「大変さ」や「ストレス」を体験できる新生児育児体験システムである。父親やパートナーを含む家族が育児の大変さを具体的に理解し、育児休業制度の積極的な利用につながることを目指している。
■泣き止まない、止められない。だから学べる―新生児育児の“大変さ”が体現できる「CryingBaby」
新生児育児体験システム「CryingBaby」は、新生児期特有の負担やストレスを体験できるロボットシステムである。基本的なケアである「ミルク・おむつ交換・だっこ」を再現し、実際の新生児と同様に予測不能に泣き出す。本物のミルクを飲ませることができ、飲ませたミルクに着色し、排せつもでき、授乳からおむつ交換の一連の手順を実践的に学ぶことができる。本システムは新生児育児の“大変さ”に焦点を当てた設計になっている。電源ボタンや音量調整ボタンは存在しない、あらかじめ設定した体験時間(12~24時間)が経過するまで終了できない。深夜に「うるさい」からといって停止できず、あやさない限り泣き止むこともない。また、昼夜を問わず好きなタイミングで泣き出し、「笑わない」「喜ばない」「ありがとうと言わない」という、報酬性を排した“わがまま”振る舞いで、達成感よりも継続的な対応力を求める設計になっている。このように体験者に高いストレスを与えることを目的としている。
※動画でもご覧になれます。
https://www.youtube.com/watch?v=AbKSL4Zr4kA
■多彩な関節による自由なポーズや顔色の変化による病気の表現も可能になった。
また、多彩な間接で自由なポーズが可能となり、首がすわっていない不安定な状態も再現可能。抱っこやおしめ・おむつ・肌着の着せ替えなどの疑似体験のリアルさが増している。CryingBabyの排泄物にはインクを混ぜて血尿などを再現できる他、頬のLEDで黄疸やチアノーゼも表現可能となり、より実践的で幅広い育児経験が期待できる。
●予期せず「ワンオペ育児」を担うことになった経験から着想を得た
開発者自身が第1子の誕生直後にパートナーの緊急入院に直面し、予期せず「ワンオペ育児」を担うことになった経験から着想を得た。現実の育児は、「なぜ泣いているか分からない」「やるべきことが多すぎて休む暇がない」といった状況に追い込まれ、心身ともに疲弊した体験が本システム取り組みの原点だとしている。
【出展者情報】
会社名:東海大学 小坂研究室
エリア:ネクストジェネレーションパーク
ブース番号:ホール6 6H006
URL:https://kosaka-lab.com
出展者詳細:https://www.ceatec.com/nj/exhibitor_detail_ja?id=1687