CEATECニュース

京セラ株式会社は、「空間伝送型ワイヤレス電力伝送システム」を実現する基礎技術を開発。CEATEC 2023で、実機を使ったデモンストレーションを行う。

アドバンスドテクノロジー

2023年10月13日(金曜日)
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京セラ株式会社(代表取締役社長:谷本秀夫、以下 京セラ)は、電波(マイクロ波)の放射を集中させる技術(ビームフォーミング技術)と、電波の伝搬環境に応じてリアルタイムに電波放射を追従制御する技術(アダプティブアレー技術)を融合し、5.7GHz 帯における「空間伝送型ワイヤレス電力伝送システム」を実現する基礎技術を開発した。

「空間伝送型ワイヤレス電力伝送システム」の電力供給イメージ

電波(マイクロ波)の放射を集中させる「ビームフォーミング技術」と、電波の伝搬環境に応じてリアルタイムに電波放射を追従制御する「アダプティブアレー技術」を、電波を介して電力供給するワイヤレス電力伝送システムに適用することにより、スマートフォンやドローンなどの移動体にも安定した電力を伝送できるようになる。
ワイヤレス電力伝送が実用化できれば、電池交換や充電における手間、配線の制限により設置できなかった機器やデバイスの設置自由度が向上するため、その実現に大きな期待が寄せられている。

■本システムの特長と技術

京セラが通信基地局事業で長年培ってきた電波の制御技術を活用し、高速追従する電波制御と高精度な電波制御を同時に両立させて電波をコントロールすることが特長。また、高効率に電波を電力に変換する技術も有している。

(1) 高速追従する電波制御
電波を放射したい方向へコントロールするビームフォーミング技術により、電波エネルギーを集中制御することが可能。また、電波の伝搬環境に応じた指向性制御技術(アダプティブアレー技術)を適用して電波制御を高速追従することにより、移動体にも安定的に電力供給することが可能となる。この技術は、アンテナから放射される電波を電気的に制御するため、機械的な消耗や故障のリスクを排除することができる。

アダプティブアレー技術

(2)高精度な電波制御
壁などの反射を効率的に利用し、ビームフォーミング技術と同時に電波を放射したくない方向への電波放射を抑えるヌルステアリング技術を活用することで、電波の指向性を高精度に制御している。また、電波放射を抑える範囲をコントロールする独自のヌル広角化技術により、人体や他の無線システムに影響を及ぼさないよう電波放射を制御することが可能となる。

(3)高効率な電力変換
ビームフォーミング技術をはじめとする独自の電波制御技術と、交流のマイクロ波から直流電流へ変換整流する独自のレクテナ回路技術の組み合わせにより、電波が持つエネルギーを高効率に電力へ変換する。

■京セラ独自の電波制御技術 / レクテナ回路技術

京セラ独自の電波制御技術 / レクテナ回路技術により、工場内センサやIoT機器などの情報通信機器、パソコンや携帯電話などのモバイル機器、ドローンなどの小型モビリティなどの電子機器へ電力を供給し、新たな価値を創出、電源に不自由のない社会の実現を目指している。 「CEATEC 2023」の会期中、京セラブースでは小型モータ搭載ミニカー(デモ機)の移動に追従しながらワイヤレス電力伝送するデモンストレーションも行う予定だ。

ワイヤレス電力伝送デモ機

出展者情報

会社名:京セラ株式会社
エリア:アドバンスドテクノロジー
ホール8 ブース番号: A004
URL:https://www.kyocera.co.jp/
出展者詳細:https://www.ceatec.com/ja/exhibition/detail.html?id=33

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