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国立大学法人香川大学 JST-CREST、指先が持つ繊細な感覚を可視化する「マルチフィジクス・ナノ触覚センシング」 CEATEC AWARD 2023 デバイス部門グランプリ受賞

スタートアップ&ユニバーシティ

2023年10月19日(木曜日)
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国立大学法人香川大学 JST-CREST(以下香川大学)が新技術を展示。
本技術は人間が感じる手触りを数値化・可視化する全く新しい領域の触覚センシングシステム。鍵となるのは独自の高分解触覚センサと深層学習(AI)の協働。

全景

見えない感覚を「見える化」する新技術

指先が持つ繊細な感覚は「見える化」が難しい分野だった。香川大学では、人間の指先が持つ精緻な指紋構造と触覚受容器の機能を模倣する独自の原理によるシリコンMEMS触覚センサで、「粗滑感」「摩擦感」「硬軟感」に加え、「乾湿感」ならびに「冷温感」の5大触覚要素を実現。感覚の「見える化」に成功した。
さらに、触覚情報のディープラーニングを組み合わせることで人間を超える触覚能力の実現も可能だとする。例えば、ティッシュペーパー7銘柄を触覚だけで判別するテストでは、人間ではおよそ30%の正解率だったのに対して、ナノ触覚デバイスとAIの組み合わせでは95%以上の正解率が得られ、実に3倍以上の正確性をみせた。

資料写真

冷温感による熱伝導変化の空間的可視化に成功したことで、触り心地の良さの決め手となる「しっとり感」と「温もり感」の再現が容易になった。

美容・ヘルスケア・先進医療・モノづくりで技術革新

チップとトロフィー

高品質の触覚データを取得し、対象が持つ触覚的特徴をAIに記憶させることによって、人間には判別が難しい対象を指先以上に高い感度と正確性で識別。
スキンケアの効果や髪の毛の質感、ガンの進行度合いの検査、着心地、鮮度・熟度など様々な分野で客観的な触覚データの活用が見込まれ、摺動部の異常摩耗や悪性腫瘍を超初期に発見するなど、様々な分野での応用に期待。

出展者情報

会社名:国立大学法人香川大学 JST-CREST
エリア:スタートアップ&ユニバーシティ
ホール 4 ブース番号:S081
URL:https://www.kagawa-u.ac.jp/
出展者詳細:https://www.ceatec.com/ja/exhibition/detail.html?id=70

スタートアップ&ユニバーシティ

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