対談・インタビュー
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CEATECを語る(Vol.03):幕張メッセでの安全・安心なリアル開催の実現に向けて

2022年9月29日(木曜日)
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ゲスト: 伊藤 昌徳 氏(株式会社幕張メッセ 営業部門 営業部長)
聞き手:鹿野 清(CEATECエグゼクティブプロデューサー)

CEATECは2000年から始まり、技術の進化や社会環境の変化などに応じて開催内容も変化してきました。そうした中で、初回から20年間変わらなかったのが「幕張メッセ」という会場です。2年間の完全オンライン開催を経て、今回のCEATEC 2022は3年ぶりのリアル開催となりますが、新型コロナウイルス感染症対策は欠かせません。長年、CEATECの出展者と来場者を見守ってこられた株式会社幕張メッセ 営業部門営業部長の伊藤昌徳氏にCEATECへの期待や、幕張メッセとしての感染拡大防止対策などについて、CEATECエグゼクティブプロデューサーの鹿野清が伺います。

展示会や音楽ライブで
活気が戻る幕張メッセ

鹿野 CEATEC 2022が3年ぶりに幕張メッセでリアル開催されます。2000年にCEATECが始まったときから幕張メッセにお世話になっていますが、伊藤さんの立場から、今回の開催にあたり何を期待されますか。

伊藤 まず、3年ぶりにお帰りなさい、と申し上げたいですね。CEATECは秋の展示会シーズンの中核となる催しと位置付けています。私たち幕張メッセだけでなく、千葉市、幕張新都心にとって大きな経済波及効果が生まれる催しになると、今回も期待しています。

鹿野 ありがとうございます。2000年のスタート当初から、幕張メッセには大変お世話になってきました。CEATECの規模も時代とともに変遷があり、多い時には国際展示場のすべての展示ホールをお借りしたこともありました。

今年は、前回リアルで開催したCEATEC 2019に比べると、規模はちょっとだけ小さくなる見込みですが、コロナ禍が続く中でたくさんの企業に出展のお申し込みをいただいたと感じています。

さて、コロナ禍で幕張メッセの皆さんもご苦労されていると思います。展示会だけでなく、音楽ライブなどのイベント会場にも多数利用される幕張メッセですが、2022年になって何か変化はありましたか。

伊藤 政府が行動制限を緩和したことから、展示会やイベント、ライブなどが復活する機運が高まり、活気が戻ってきたと感じています。8月に開催された音楽ライブのSUMMER SONIC 2022は2日間で11万人の来場者がありました。イベントやライブではひと足早く、日常が戻ってきたように思います。

展示ホールのコロナ対策
空調機のCO₂濃度をモニタリング

鹿野 行動制限がなくなる一方で、展示会の主催者としては、やはりコロナ対策に非常に気を遣って運営する必要性があることを強く感じています。幕張メッセとして打ち出している新型コロナ対策を教えてください。

伊藤 ホームページで「幕張メッセ新型コロナウイルス感染防止対策ガイドライン」を公表し、利用条件及びガイドラインを厳守いただくようにお願いしています。

例えば幕張メッセの利用条件として、(1)入場者数を把握し、収容人数を超える場合は入場制限を行う (2)発熱者及び体調不良者の入場制限を行う (3)来場者及び関係者にマスクの着用を義務付けるとともに、手指の消毒の実施等を徹底する (4)会場内の消毒を行う (5)人と人との間隔を十分確保したレイアウトにする (6)空調設備等の利用による会場内の十分な換気を行う (7)感染者発生時の追跡調査に対応するための措置を講じることなど、国の指針に応じた利用条件を設けています。

これに加えて、幕張メッセでは展示ホール内の空調機にCO₂濃度計を設置してモニタリングしています。仮に催し物の期間中にCO₂濃度が上昇するようなことがあれば、主催者に展示場のシャッターを上げて換気を依頼するなど、主催者とのコミュニケーションを取りながら、万全のコロナ対策に努めています。

鹿野 CEATEC主催者としては、出展する企業・団体の皆さんにいろいろなレギュレーションへの対応をお願いするほか、来場者の皆さんの協力も得て、CEATECとして安全・安心の空間を皆さんと作り上げたいと考えています。

主催者として、展示ホール内のレイアウトを工夫し、密を避けるために展示ブース間の通路の幅は従来よりも広めに設計します。さまざまな対策を組み合わせながら、万全を期して開催したいと考えています。

伊藤 利用条件などの対策を徹底していただければ心配はありません。安全・安心な展示場として私たちも全力を尽くします。

鹿野 そのお話を聞いて安心しました。周到な準備は必要ですが、無事に開催したいと思います。

幅広い業種の来場者が来場
44%が5時間以上滞在

鹿野 伊藤さんは長年、幕張メッセを運営する立場からCEATECをご覧になっていますが、他の展示会と比べ、CEATECの来場者の印象はいかがですか。

伊藤 幕張メッセではさまざまな展示会・見本市が開かれています。そのテーマの産業界、関連団体の方々が来場されるのは当然のこととして、CEATECは幅広い業種から多くの方が来場されている展示会というのが私の印象です。

前回リアルで開催されたCEATEC 2019の「実施報告書」を拝見すると、登録来場者数は4日間で約14万5000人。学生から若手ビジネスマン、経営者まで実に幅広いですね。

鹿野 伊藤さんがお話しされた、幅広い来場者はまさにCEATECの強みでもあります。CEATEC 2019に来場した方が何時間くらい幕張メッセに滞在したのかを調べた来場者アンケートがあります。それによると、1日中が18.7%、6時間くらいが13.0%、5時間くらいが12.4%となっており、5時間以上滞在された方が44%を占めるのです。

来場者が展示会場を歩き回り、疲れたらちょっと休憩する、あるいは来場している間にもリモートワークでオンライン会議に参加するなど、今年は多目的に利用できるワークスペースを展示ホールに用意する計画です。展示会も見学するけれど、その合間にリモートワークで会議もしたいなどというように、より長い時間、願わくば一日中幕張メッセに滞在していただけるようなインフラを提供したいと考えています。

最後にCEATEC 2022に向けて、伊藤さんの期待をお聞かせください。

CEATEC 2022は3年ぶりにこの広い幕張メッセでリアルのイベントとして開催される

伊藤 CEATECは「共創」によって未来を描くことを掲げていると思いますが、出展する企業同士の化学反応もあれば、来場者と出展企業のリアルな出会いによる、思いがけない化学反応も期待できると思います。それが幕張メッセで起こるとなれば、それは本当に嬉しいことです。これからの社会、そして未来に向けて、今年もさまざまな化学反応が起きるCEATECになることを願っています。

鹿野 ありがとうございます。これまでも幕張メッセの皆さんと一緒にCEATECをつくり上げてきました。無事に開催することはもちろん、出展者、来場者の一人ひとりの満足度を高められるCEATECにしたいと思います。

PROFILE

ゲスト
伊藤 昌徳(いとう・まさのり)
株式会社幕張メッセ 営業部門営業部長

1989年国際武道大学卒業。日本コンベンションセンター(現・株式会社幕張メッセ)入社。2009年営業開発部門営業開発課長、2012年コンベンション事業部門国際展示場課長、2013年営業部門営業課長、2017年事業部門副部長、2020年事業部門事業担当部長を経て、2022年より現職。

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