CEATECニュース

2050年「カーボンニュートラル」達成へ
KOA、日本ガイシ、NTTデータ CEATEC2022 出展企業の取り組み

キーテクノロジー

トータルソリューション

パートナーズパーク

2022年11月4日(金曜日)
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2050年「カーボンニュートラル」実現に向けて各企業が独自の技術で取り組む中、CEATEC2022出展企業から、電動車や産業機器の小型化・高機能化・高耐熱化に貢献する抵抗器等を開発する「KOA株式会社」、再生エネルギーを基軸に公共インフラデータの一元管理を目指す「株式会社エヌ・ティ・ティ・データ(NTTデータ)」、メガワット級の大容量電力貯蔵システム「NAS®電池」事業でカーボンニュートラル実現に貢献する「日本ガイシ」の展示に迫る。

●KOA 

抵抗器、温度センサ等を小型・高機能・高耐熱化へ

ブース外観

今年4月、長野県「事業活動温暖化対策計画書制度」において優良事業者表彰された電子部品メーカーKOA株式会社は「~脱炭素社会実現への貢献~」をテーマに掲げ5つのトピックスで、電動車や産業機器の小型化・高機能化・高耐熱化に貢献する抵抗器、温度センサ、保護部品などの新製品・開発品を紹介した。
「BMS/エネルギーストレージシステム」に関する会場デモ展示では、電動車のバッテリーのエネルギーを有効活用するため、高電圧を高精度に検出する「高電圧検出用高精度分圧器 HVDP08」(新製品)「モールド型高耐圧デバイダー MHVD」(開発中)などを出展。
ハイブリッド車、電気自動車のバッテリー、インバーター回路の電圧を制御する回路として開発された「モールド型高耐圧デバイダー MHVD」は1,500V高電圧検出が可能。従来よりも小型化し、周辺の温度変化の影響が小さい点が特徴。会場では従来製品とHVDP08を比較したデモが展示された。

担当者は「従来は、どのような価値を提供できるかを考えて新製品を開発していたが、今は単なる性能向上を目指すのではなく、顧客のニーズに応える価値ある製品づくりに取り組んでいる。それによってSDGsや脱炭素社会に貢献したい」と話した。

温度変化による特性比較

出展者情報

会社名:KOA株式会社
エリア:キーテクノロジー
小間番号:ホール6 P001
URL:https://www.koaglobal.com/
出展者詳細:https://www.ceatec.com/ja/exhibition/detail.html?id=202

●日本ガイシのメガワット級大容量電力貯蔵システム「NAS電池」

日本ガイシはカーボンニュートラル(CN)とデジタル社会(DS)を注力すべき社会課題に掲げ、グループ全体で2050年度の二酸化炭素(CO2)排出量実質ゼロを目指し、CNの推進による脱炭素社会実現に向けて、関連製品の開発、サービス提供の取り組みを進めている。

CEATEC2022には「スマート社会をますます快適に~セラミック技術で貢献していくデジタル社会~」をテーマに出展。老朽化が進む道路や橋などのインフラを監視するIoTデバイスの電源問題を解決する超小型・薄型のリチウムイオン二次電池「EnerCera ®(エナセラ)」や、高周波デバイスや大電力パワーデバイスの特性向上を可能にする窒化ガリウム(GaN)ウエハー「FGAN ®」などのほか、カーボンニュートラル推進に貢献する、メガワット級の大容量電力貯蔵システム「NAS電池」を紹介した。

NAS

NAS電池はナトリウム(Na)と硫黄(S)の化学反応によって充放電を繰り返す蓄電池(二次電池)で、大容量、高エネルギー密度、長寿命が特長。

鉛電池の約3分の1のコンパクトサイズで、長時間にわたる高出力の電力供給を可能とした。太陽光などの再生可能エネルギーを貯めて公共施設や工場で使う「電力の地産地消」や、地域防災、事業継続計画対策などにも役立ち、再生可能エネルギーの安定化をはじめ、節電対策やエネルギーコスト削減、環境負荷低減に貢献する。

会場ブースでは、NAS電池が解決できる事例のほか、日本ガイシが75%、岐阜県恵那市と中部電力子会社が12.5%ずつ出資し今年4月に事業開始した地域新電力「恵那電力」を紹介。恵那市のエネルギーの地産地消による地方創生と脱炭素化に貢献する恵那電力の特長や、NAS電池+ブロックチェーン技術に関するパネル展示を行った。

模型

出展者情報

会社名:日本ガイシ株式会社
エリア:トータルソリューション
小間番号:ホール8 T129
URL:https://www.ngk.co.jp/
出展者詳細:https://www.ceatec.com/ja/exhibition/detail.html?id=308

●NTTデータ
再生エネルギーを基軸に公共インフラデータの一元管理を目指す

日本発、くらしのDX

NTTデータは「日本発の技術で暮らしのDX」を掲げ企業・団体の垣根を超えた連携での新サービス創造に向けた取り組みを紹介する「JEITAスマートホーム部会」「エコーネットコンソーシアム」両団体共同ブースに出展。

両団体が目指すのは、これからの国内DX社会において、よりよき社会と市場の形成。今年度新たに「新サービス創造データ連携基盤検討会」を起ち上げ、CEATEC2022では「デジタル田園都市とスマートホームの連携」をテーマに掲げ、活動内容をベースにリアル展示した。

デジタル技術の活用により、地域の個性を活かしながら、地方活性化、持続可能社会を目指す「デジタル田園都市国家構想」の実現に向けて、NTTデータは再生可能エネルギーをはじめとした電力データ、イエナカ公共インフラデータ(電力・ガス・水道)の一元管理による新サービス創出を目指す取り組みを紹介した。

公共インフラデータ連携基盤の目指す姿
各種データ一元管理による新サービス創出

イエナカデータは様々なサービス産業の連携により、あらゆるステークスホルダーによるエコシステムが形成される可能性があると期待されており、スマートライフ産業の発展には、データ連携基盤の整備が重要とするNTTデータ担当者は「収集データを自治体・企業など多種多様なパートナーが活用可能な『共創環境の場』を提供したい」と話している。

NTTデータは今年度よりIT技術を活用した「グリーン分散エネルギー情報流通基盤」構築の実証実験を開始している。カーボンニュートラル実現に向けて再生可能エネルギーをはじめとした分散型エネルギー(DER)大量導入の促進が狙い。この基盤を、高速大容量・低遅延な通信や膨大な量の計算が可能となるIOWN(Innovative Optical and Wireless Network)技術が支える。IOWNを活用した電力のデジタルツイン環境の提供により、2025年にDER3,000万台から情報を収集し、数秒から1分間周期でのリアルタイム高速データ処理を目指す。

ブース外観

出展者情報

会社名:株式会社エヌ・ティ・ティ・データ
エリア:パートナーズパーク
小間番号:ホール5 P020
URL:https://www.nttdata.com/jp/ja/
出展者詳細:https://www.ceatec.com/ja/exhibition/detail.html?id=3409

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