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北良株式会社が発表した自律分散型インフラを搭載した、移動可能な居住空間「WHOLE EARTH CUBE」が、CEATEC AWARD2022パートナーズ部門 グランプリを受賞

パートナーズパーク

2022年10月21日(金曜日)
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岩手県北上市にある北良株式会社は、ガスの製造販売、発電、エネルギー販売を展開している企業。東日本大震災で被災した医療機関と在宅患者の支援などを行っている。今回は、「誰でも、どこでも、自由に暮らす。」をコンセプトに、インフラから独立したデバイス「WHOLE EARTH CUBE」の展示をメインに、WOTA株式会社・MUSVI株式会社と共同出展した。
CEATEC AWARD2022パートナーズ部門では、災害対策だけでなく、Society5.0における社会課題を解決するキーデバイスとしての役割も高く評価されている。

自律分散型インフラを搭載した「WHOLE EARTH CUBE」

●きっかけは、東日本大震災後のインフラの長期間停止

大規模災害時に「安全な空間で家族と一緒に、安全に命を守る事」は出来ないか・・・。「WHOLE EARTH CUBE」は、人工呼吸器や酸素濃縮器などの医療機器を使用する在宅医療患者などの災害弱者を家族とともに長期間収容することを目的に開発された。医療を受ける側、ケアをする側にもストレスの少ない環境下で生活出来る仕組みとなっている。

●持続可能なエネルギーで完全独立

全長12m 幅2.5m 高さ3.8mの居住空間は完全オフグリットであり、内部に発電設備、水、トイレの再生循環設備などを搭載し、必要なインフラを自立して確保している。また、電気は屋根の設置された太陽光パネルと蓄電池を活用、水は雨水をろ過処理して使用し、生活用水として排水された水も再び循環させて再利用する。トイレの汚水も、生物処理(排水に含まれる有機物を微生物に分解させる方法)で水に戻す。
さらに電気・水の使用量や貯蓄量は、モニターで可視化できるようになっており、環境に対する意識向上にも繋げられるよう工夫されている。

モニター(使用量・貯蓄量がこのモニターで確認出来る)

また、岩手県のナンブアカマツを使用した外壁は防水・防腐処理をしており、見た目もスタイリッシュ。木造の高断熱高気密で有機的な環境を保つことが出来る。輸出用コンテナと同等のサイズの為、船でも運ぶことが可能で、海外・離島での使用も視野に入れている。もちろん、本体は公道が走行可能なトレーラー車両であり、通常のコンテナ輸送と同様に陸上輸送が可能な仕様となっているので、まさに、「誰でも、どこでも、自由に暮らす。」が実現する。

●心のインフラも解消 MUSVIの「窓」と繋がる

「窓」 (相互会話が可能な、MUSVIの「窓」)

今回、共同展示として、あたかも同じ空間にいるかのようなコミュニケーションをとることが出来るMUSVI株式会社の「窓」が設置されている。
電気、上下水道のインフラだけでなく、誰かとつながることも人が生きていくことに不可欠な要素と考え、「窓」は人間にとっての「心のインフラ」の役割を担う。
大きな違いは、パソコンのオンライン通話では一方の声がしっかり聞こえるようノイズキャンセリング機能が働くが、この「窓」は相互会話が可能。リアルタイムで細かい音まで拾い、ガラス1枚分ほどの大きさのディスプレイの先の遠隔地にいる人と同じ空間いるかのような感覚で会話をすることが出来る。例えば、外出が困難な患者の遠隔診療やコロナ禍で会えない遠方の親戚との会話もスムーズに行えるようになっている。

出展者情報

会社名:北良株式会社
エリア:パートナーズパーク
ホール:5
小間番号:P016
URL:https://www.hokuryo.biz/
出展者詳細: https://www.ceatec.com/ja/exhibition/detail.html?id=259

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