CEATECニュース
住宅デバイス共創機構 無人配送時代へ床下空間を活用したロボット床下収納を提案
2025年10月16日(木曜日)
住宅デバイス共創機構は、無人配送時代に対応した新しい住宅の在り方を提案。展示会初出展となるCEATEC 2025で、住宅の床下空間とロボットを活用した自動倉庫システム「ENNOSHITA」を発表した。使わない荷物の保管・出し入れや、配達物の仕分け・収納をロボットが自動で行い、不在時の「置き配」が抱える課題も解決する。無人自動配送ロボットの普及が見込まれる未来の先取りが狙いだ。
自動で搬送・格納するロボット収納
「ENNOSHITA」のロボット収納は、住宅の建物外部の配送品投入口で受け取った荷物を、従来は有効活用されない床下空間に自動的に床下へ搬送・格納するもの。居住者は必要に応じて室内から荷物を取り出せる。
床下へはエレベータで荷物を上下させ、床下空間での搬送は、天井高さが低い場所で動くことを想定して開発された「コの字」型の運搬ロボットが活躍し、自動で収納する。荷物を収納するボックスは「パケット」と呼ばれ、対応する荷物の最大寸法はW450mm×D450mm×H470mm、重さは25kg。2Lペットボトル6本入りケース2箱の収納が可能だ。一般的な住居では16個程度のパケットが使用できるという。
また、配達物だけでなく、コンパクトな五月人形やひな飾り、季節衣料品など、すぐに使わない荷物の保管・収納にも役立てられる。
「置き配」の課題を解決 ドローン宅配への対応も
近年は不在時に配達物を受け取る「置き配」の普及が進んでいる。利便性が高まった一方で、盗難や破損、宅配ボックスの容量不足などの課題が顕在化している。安全な荷物の受け取りが可能な「ENNOSHITA」はこれらの課題を解決。また不在による再配達が不要となり、トラックドライバーの不足が深刻化する物流業界の課題解決にも貢献する。
「ドローン宅配」への対応も進めており、屋根の上にドローンを下ろし荷物をエレベータで家の中に引き込むシステム開発も完了が近いとしている。
「住宅デバイス共創機構」設立準備室室長・内藤玄造氏は「無人自動配送ロボットが普及した将来に、依然『受け取り』を人が担うようではサービスは普及しない。『ENNOSHITA』で未来を先回りしたい」と話し、無人自動配送ロボットの普及が予想される10年後にはロボット床下収納の普及が進むと期待している。
『ロボット収納のある家を建てたい』と期待される未来へ
「ENNOSHITA」の設置対象は、新築戸建てだが、同機構は集合住宅・マンションでの無人配送や既存のマンションで使われなくなった立体駐車場など、活用されていないスペースの自動倉庫化の開発も進めている。実用化は3年後を目標に掲げる。
また、将来はIoT化により災害時の食料のローリングストックと連動し、賞味期限の近づいた食料の使用と新規注文を自動で促すシステムなどへの活用も期待される。
「住宅デバイス共創機構」はCEATECをはじめ展示会に初出展。CEATEC 2025を通じてハウスメーカーだけでなく広く一般に向けて同機構への関心を高めて欲しいとしている。
内藤氏は「一般の方々が興味を持ってハウスメーカーに対して『ロボット収納が入る家を建てたい』と要望してもらえると、とても力になります」と話している。
【出展者情報】
会社名:住宅デバイス共創機構
エリア:General Exhibits
ブース番号:ホール3 3H508
URL:https://www.rdcc-pre.org/
出展者詳細:https://www.ceatec.com/nj/exhibitor_detail_ja?id=1773