CEATECニュース
株式会社NTTドコモ、“痛み”の共有による相互理解の深化へ
2025年10月16日(木曜日)
伝えたくても伝えることができなかった感動や感覚、記憶や体験…ドコモの「FEEL TECH」は、触れた感覚などの五感や心の動きのような感情など、言葉で伝えることが難しい対象を相手に合わせて共有できる新しい技術だ。相互理解のためにこれまでも動作、触覚、味覚の共有に取り組んできたが、今回も言語化が難しい「痛み」に着目した。相手の感じ方に合わせて痛覚を共有する技術の開発は世界初となる。
■温度刺激による痛みの推定から共有へ
ドコモが開発している「人間拡張基盤®」と、「痛みの見える化」を目指すPaMeLa株式会社が開発した痛みを脳波から測定する技術。この連携により、人それぞれの痛覚の感度を推定することで相手の感じ方に合わせて痛覚を共有する技術が開発された。
感知した痛みは大脳皮質にも情報が伝達されることから、その大脳の脳波を評価・分析し、痛みの測定を行っていく。現在は温度変化による痛みの推定が中心に行われている※1。温度刺激による痛みのパターンを測定すれば、個人差のある“痛みに対する感度”のデータを収集でき、そこでマッチングをかければ、受け取り側の感度を踏まえた変換・共有が可能となるという仕組みだ。人それぞれの痛みの程度を可視化、また疑似体験することができる技術。担当者は「痛みが分かれば、少なくとも寄り添いあったり助け合ったりすることができる。医療現場での活用も目指している。」と相互理解への思いを伝えてくれた。
※1 PaMeLa株式会社:研究内容 https://pain-ml.com/research_content/
■“Wellbeing Society”の実現へ。CEATECに参加した思い
脳波で痛みを測定し共有をするという画期的な技術を発表したが、担当者は「これは一例にすぎなく、ベストではない」と語る。「展示会に来場された方からより良い技術があればぜひ教えていただきたい。またこの技術をどのように活用したら良いかのご意見もいただきたい。パートナー探しをしたい。」と久々に参加したというCEATECへの思いも熱い。今後は孤独やカスタマーハラスメントといった心の痛みにも目を向けており、今回はそういった“痛み”に敏感な日本の展示会に参加したかったという。お互いに連携やシナジーを得たいと伝えてくれた。
【出展者情報】
会社名:株式会社NTTドコモ
エリア:General Exhibits
ブース番号:ホール1 1H007
URL:https://www.docomo.ne.jp/
出展者詳細:https://www.ceatec.com/nj/exhibitor_detail_ja?id=1801