CEATECニュース
横河デジタル株式会社 汎用型AI「FKDPP」で 製造業の新たな戦略を新たなフェーズへ導く
2024年10月30日(水曜日)
23社が出展する特別企画「AI for All」にCEATEC初出展の横河デジタル株式会社は、自律制御AIアルゴリズム「FKDPP(Factorial Kernel Dynamic Policy Programming)」を紹介。汎用型の「強いAI」によって創造される製造業の未来を提案した。
少ないデータと強化学習による汎用型AI「FKDPP」
横河デジタルは製造業が直面する課題に対して「AIファースト・マニュファクチャリング」というコンセプトを提唱している。AIによる永続的な学習蓄積による価値向上で製造業の事業拡大に貢献したいとしている。CEATEC 2024出展ブースでは横河デジタルが奈良先端科学技術大学院大学と共同開発した、短時間で学習できる自律制御AIアルゴリズム「FKDPP(Factorial Kernel Dynamic Policy Programming)」を紹介した。汎用性の高い「強いAI」を目指して開発した“純国産AI”であり、数少ないデータと強化学習により、少ない試行回数で目標に最適な操作量を自律的に生成する。
従来、部分的なプロセスの制御やコントロールなど、個別の分野、領域に特化した「特化型AI」に対して、FKDPPは自分の状況を理解し必要な行動を考える様々な役割や課題を汎用的に処理する「汎用型AI」だ。
「AIファースト・マニュファクチャリング」実現へ 産業用の汎用型AI実装検証進む
ブースでは、マニュアル制御は極めて困難とされる、制御トレーニング実験装置「多段水槽」で汎用型AIが水位制御するデモが実演された。これは3段の水槽の一番下(3番目)の水槽の水位を一定に保つためにバルブの開閉をAIが制御しているもので「約400秒間」=1回の試行を30回繰り返しただけで最適解を見つけ、水位制御を達成した。
微妙な調整を必要とし、自動化が困難で手動での制御が行われている設備へのAI導入は、化学製品の工場の蒸留塔における廃熱を用いた加熱器制御の実証試験として行われている。従来の手動制御に比べ、約40%の蒸気、CO2の排出量を削減し、その成果が決め手となり、2023年「第52回日本産業技術大賞」において「内閣総理大臣賞」を受賞している。
【出展者情報】
会社名:横河デジタル株式会社
エリア:AI for All
ブース番号:ホール5 5H132
URL: https://www.yokogawa.com/jp-ydj/
出展者詳細:https://www.ceatec.com/ja/exhibition/detail.html?id=321