CEATECニュース
パナソニック インダストリー株式会社、独自の技術力で「生成AIサーバ」を支える製品を展開
2024年10月29日(火曜日)
昨年に続き、2回目の出展となるパナソニック インダストリー株式会社は、「見えないところから、見違える世界に変えていく。~AIにより豊かになる未来を技術力で貢献~」をコンセプトに、生成AIサーバで注目される情報通信インフラや車載CASE、工場省人化など、さまざまな分野で活躍するAIを支える製品を紹介した。
■AIを支える製品・情報通信インフラソリューション
○低伝送損失多層基板材料「MEGTRON(メグトロン)」
まず、一般のサーバと生成AIサーバの大きな違いはリアルタイムに学習できるかと言う点である。
一般サーバに比べてAIサーバは、情報処理能力が高くかつ高速でなければならない。
そういった点で、今回紹介するメグトロンは、従来より低伝送損失(回路上に流れる電気信号の劣化の度合いが小さい)基板材料となっていて、高い信頼性を得ている。
昨今、生成AIサーバを作る基板においては、処理能力を高めるために、より複雑な回路設計になるのだが、優れた誘電特性(低誘電率・低誘電正接)により低伝送損失の実現が可能となった。また、耐熱性に優れ、20層以上の高多層化が可能となり、高速大容量化が進む電気信号の処理性能向上に貢献が期待される。
○導電性高分子アルミ電解コンデンサ「SP-Cap」
電解質に導電性高分子を採用した角チップ形状のアルミ電解コンデンサ「SP-Cap(エスピー キャップ)」。
独自の導電性高分子形成技術と製造プロセス技術により、大容量・高耐熱で超低ESR(等価直列抵抗)を実現し、サーバ、通信機器、GPUの電源ラインなどのノイズ対策で活躍している。
サーバ部品の小型化も進んでおり、これまでも小さいと言われていたキャパシティでさえ、この1つのチップを使うことで、更に約6割の面積で実装できるようになった点も見逃せない。
■車載CASEソリューション
車載に関する基板材料・半導体部品など、様々なコンテンツを紹介している中、注目したいのは、業界初となる独自工法によって開発された、より“高い透明性”と“低い抵抗値”を兼ね備えた透明導電フィルム「FineX(ファインクロス)」だ。
通常の透明フィルムは、1枚ずつ配線加工した後に2枚を張り合わせて1つの製品とするが、2枚合わせのため透過率が少し下がる。そこを1枚のフィルムで両面からアプローチするのが業界初の試みとなる。これは、透明シートにミクロンレベルの導線が張り廻られていて、人間の通常至近距離からは線が見えず、フィルムはほぼ透明に見えるという。
例えば車のフロントガラスに張り付けることで、ヒーターとして、寒暖差による曇り止めの役割を担う。ロシアやアラスカの気候を想定しても、使用できる設計というから驚きだ。
ちなみに、昨年は電子レンジの扉の窓にフィルムを張り付けて、外から中の状態を見ながらマイクロ波をシャットダウンできるというデモンストレレーションを展示したので、記憶に新しい方もいるのではないだろうか。
そのほか、今回のブースでは、半導体実装補強材「LEXCM DF」や工場省人化ソリューションとしてモーション性能を実現したAI搭載サーボシステム「MINAS A7」、自律移動ロボット向けAMRソリューションデモ機などが展示された。各製品、詳しい情報はぜひ企業サイトから見てほしい。
【出展者情報】
会社名:Panasonic Industry Co., Ltd.(パナソニック インダストリー株式会社)
エリア:General Exhibits
ブース番号:ホール5 5H114
URL:https://www.panasonic.com/jp/industry.html
出展者詳細:https://www.ceatec.com/ja/exhibition/detail.html?id=103