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「トポロジカル物質」の社会実装に向けて。東大発のスタートアップTopoLogic社に熱視線

スタートアップ&ユニバーシティ

2023年10月23日(月曜日)
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TopoLogic株式会社ブースでは、次世代の量子材料"トポロジカル物質"の特性を活かした熱流束センサ『TL-SENSING™』の体験展示が大きな注目を集めた。

トポロジカル物質の社会実装を目指す『TopoLogic株式会社』

ブース全景

トポロジカル物質は従来の物質とはまったく異なる電子構造を持ち、常識を越える物理効果を生じさせるという物質群だ。数学のトポロジー※の概念を適用することによって理解され、2016年のノーベル物理学賞が「トポロジカル相転移および物質のトポロジカル相の理論的発見」の業績により3人の研究者に贈られたのも記憶に新しい。
(※物質を切ったり穴を空けたりしない状態で、連続的に形状を変えても性質が維持されるというような幾何学的な性質)

トポロジカル物質は、その特性を活用することで高度なエネルギーの可視化や省エネルギー化が可能になるという。
TopoLogic株式会社は、その社会実装を目指す東大発の研究開発型QX(量子トランスフォーメーション)スタートアップだ。

吐息レベルの熱も0.01秒未満で感知するセンサ『TL-SENSING™』

センサー

TopoLogicブースにはトポロジカル物質の特性を活かした『TL-SENSING™』が展示された。
吐息のような微細な熱も0.01秒未満で検知するという、超高速応答かつ超高感度な熱流束センサだ。従来センサ比1/1000という超薄膜構造で形状自由度が高いのも特徴だ。
さらにトポロジカル物質を作るのに実は特殊な材料も特殊な製造方法も必要なく、従来の熱センサと比べ数百分の1という低コストで製造が可能だという。
温度ではなく"熱"の動きを可視化するので、機械や二次電池などの中で起こった異常を瞬時に検出したり、人間の体内の熱をモニタリングしたりと、幅広い用途での活用が見込まれているという。

行列のできるトポロジカル物質

展示風景

ブースでは実際にセンサに触れることができる体験展示も行われていた。
トポロジカル物質を通して、人肌の熱が瞬時に検知される様子がわかる貴重な体験は大人気でブースは常に大盛況。人類の物質観を覆すとも言われるトポロジカル物質の社会実装に、大きな期待が寄せられていることが感じられた。

出展者情報

会社名:TopoLogic株式会社
エリア:スタートアップ&ユニバーシティ
ホール4 ブース番号:S109
URL:https://www.topologic.jp
出展者詳細:https://www.ceatec.com/ja/exhibition/detail.html?id=125

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