CEATECニュース
“人間のためのシステム”であるために。Cross Cut Japanのスマートグラス『メガネドラゴン』
2023年10月23日(月曜日)
Cross Cut Japanブースでは、建設や製造などの現場での生産性アップや技術の伝承に役立つメガネ型デバイス『メガネドラゴン』の体験展示が行われた。
ハンズフリーで映像と音声を共有するスマートグラス
メガネドラゴンはその名の通りメガネのようにかけて使うデバイスだ。
本体重量50g〜100g程度とごく軽いものの、グラス越しに映像が見られるフルカラーディスプレイ、使用者の視界を録画するカメラ、さらにスピーカーとマイクが搭載され、ハンズフリーで映像やデジタル情報、音声も共有することができる。
ディスプレイは片目用で目の前がふさがることはなく、また不使用時は額へ上げておくこともできるので目視が重要となるシーンでも安心だ。
さらに防水防塵性能を備えヘルメットへの装着も可能。屋外作業や厳しい環境下でも頼もしい。
災害時の情報収集をミッションとして
ソフトウェアの受注開発を手がけてきたCross Cut Japan社がメガネドラゴンのプロジェクトを始動したのは2020年ごろ。
毎年のように日本を襲う自然災害を憂い、情報システムを活用して被害を減らしたいとの思いから着想されたという。
そこで被災地で活動する消防や警察の方がパーソナルレベルでも情報を収集しリアルタイムで共有できるように、両手を空けたまま通話や映像共有ができるデバイスが生まれた。
ハンズフリーの情報共有で生産性を上げる
災害レジリエンス向上というミッションを担って生まれたメガネドラゴンは、平時は産業現場で活用されている。
例えば、現場で作業する技術者をバックオフィスから映像や音声でバックアップ。図面の共有も気軽に行うことができる。複数人を同時にサポートしたり、外国人技術者とも動画を使ってスムーズにコミュニケーションを取ることができる。
指導者が遠隔からでも作業者の手元を確認できることで待ち時間も減り、大きな効率化につながるという。
熟練者から若手へ、たしかな技術をつなぐ
もう1点、メガネドラゴンが産業に寄与するポイントが”技術の伝承”だ。
熟練技術者が複数の若手を遠隔から指導できることは大きな利点となる。
また作業の様子を気軽に録画できるので、映像が社内に蓄積され、マニュアル作りにも役立つのだという。
安全に、効率よく。人間のためのシステム
同社の田中伸幸代表は「より安全な作業環境を実現し、生産性を上げて給料も上がるように。"人間のためのシステム"であることに誇りを持っています」と話す。
人手不足や生産性の低さといった企業の課題、また実際に作業する技術者の使い勝手、その両方に寄り添うメガネドラゴンの今後の展開に期待が集まる。
出展者情報
会社名:Cross Cut Japan合同会社
エリア:アドバンスドテクノロジー
共同/パビリオン出展 東京都中小企業振興公社(東京ビジネスフロンティア)
ホール6 ブース番号:A131
URL:https://ccjapan.net/lp1/
出展者詳細:https://www.ceatec.com/ja/exhibition/detail.html?id=560