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『イエナカデータ連携基盤』と『ECHONET Lite Web API』が 石川県能美市におけるIoT高齢者見守りシステムに実装

2023年10月3日(火曜日)
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一般社団法人電子情報技術産業協会のスマートホーム部会(部会長 丹康雄 国立大学法人 北陸先端科学技術大学院大学 副学長 教授)および一般社団法人エコーネットコンソーシアム(代表理事 斉藤健 株式会社東芝 研究開発センター 情報通信プラットフォーム研究所 所長)は、IoT家電の新たな展望と可能性を切り拓くため、イエナカデータ連携基盤※1ならびにECHONET Lite Web APIの仕様策定をそれぞれ推進していますが、このたび、2つを組み合わせたデジタル田園都市・スマートホーム間標準連携仕様が、石川県能美市によるIoT高齢者見守りシステム構築事業※2に採用されたことを発表しました。今回の能美市のIoT高齢者見守りシステムが本仕様を活用する初めての事業となります。

■新たなデータ社会インフラの構築

JEITAスマートホーム部会およびエコーネットコンソーシアムは、ECHONET Lite Web APIを介して得られたIoT家電のデータをイエナカデータ連携基盤で活用し、マルチベンダーかつ多様なサービス事業者との連携と協創を可能にする新しいデータ社会インフラシステムの検討を進めています。このシステムにより、IoT家電を活用した家単位や家族単位での行政サービスの提供が実現され、社会のさまざまな課題に対応する柔軟な枠組みの整備が推進されます。さらに、これらのデータ社会インフラの整備を通じて、製造や販売といった提供者中心ではなく購買や利用といった生活者価値を起点としたサービスの共創を促し、地域社会や産業の変革を先導していきます。

■IoT高齢者見守りシステム構築事業の推進

石川県能美市が推進するIoTを活用した高齢者見守りシステム構築事業に、イエナカデータ連携基盤とECHONET Lite Web APIが採用されました。ECHONET Lite Web APIを介して得られた各家庭のIoT家電のセンサー情報や利用状況に基づいてイエナカデータ連携基盤が在宅状況や生活リズムなどを把握するこのシステムは、イエナカデータ連携基盤の特性を最大限に引き出す革新的な取り組みです。この決定により、イエナカデータ連携基盤とECHONET Lite Web APIの社会実装の新たな可能性が一段と高まることが期待されています。

■CEATECパートナーズパーク内においてデモシステムとコンファレンスを展開

JEITAスマートホーム部会が開発を進めるイエナカデータ連携基盤の仕組みとエコーネットコンソーシアムが開発を進めるECHONET Lite Web API、および能美市のIoT高齢者見守りシステムの取り組みを、10月17日(火)から20日(金)まで開催される「CEATEC 2023」(主催:JEITA)のスマートホーム部会ブースならびにコンファレンス※3で紹介します。

今回の取り組みは、地方自治体の災害対策やエネルギーマネジメント、ヘルスケアなど多岐にわたる分野での社会課題の解決に寄与するものと期待されています。JEITAは、イエナカデータ連携基盤の実現とその社会的影響に関心を持つ全ての関係者と協力し、新たなデータ社会の構築を引き続き支援いたします。またエコーネットコンソーシアムは、ECHONET Lite Web APIの活用により新サービスを創造するECHONET 2.0※4を推進してまいります。今後の詳細については随時発表いたします。

■コメント

丹 康雄 スマートホーム部会 部会長
「1970年代に始まったホームオートメーションは技術の進展に合わせてその形を変え、現在のスマートホームに至っています。かつては家電や住宅設備を接続して通信すること自体が課題でしたが、その後の技術の積み重ねにより、現在ではクラウドコンピューティング内での処理が最も重要な技術となりつつあります。今回の案件は、最新の技術開発の成果を応用し、身近なところで活用する事例として画期的なものと位置づけられるものです。」

斉藤 健 エコーネットコンソーシアム 代表理事
「エコーネットコンソーシアムでは2018年にECHONET 2.0ビジョンを策定、インターネット領域/データ利活用を含む新たな世界に踏み出しました。ECHONET Lite Web APIは、同年のガイドライン発行以来、カーボン・ニュートラル、防災、ヘルスケアなど、様々な社会課題/サービスにご活用頂くため、毎年進化を続けております。この度デジタル田園都市との連携で実装される事は大きな社会貢献の第一歩となります。今後もJEITA様と連携しながら、更なる普及促進や規格のブラッシュアップを進めてまいります。」

【イエナカデータ連携基盤に関する企業・団体関係者からのお問合せ先】
 一般社団法人電子情報技術産業協会(JEITA) 事業戦略本部 市場創生部
 E-mail:smarthome@jeita.or.jp

【ECHONET Lite Web APIに関する企業・団体関係者からのお問合せ先】
 一般社団法人エコーネットコンソーシアム事務局
 E-mail:info@echonet.jp

※1 イエナカデータ連携基盤 イメージ図

※2 IoT高齢者見守りシステム構築事業
石川県能美市が、令和4年度第2次補正予算デジタル田園都市国家構想交付金(デジタル実装タイプ)TYPE2に採択された「スマートインクルーシブシティ推進事業」のうち、「あんしん在宅生活サービス」に関するものであり、一人暮らし高齢者等をIoT家電のセンサーから得られる気温や湿度等のデータを集積・分析・高次化することで、住民の生活リズムや宅内の危険度等家内部の状況を把握する見守りサービスを実現することを目的としている。令和5年10月2日(月)にシャープ株式会社、三菱電機株式会社、株式会社AIoTクラウドの3者による協力の下、2024年のサービス開始を目指して本事業が推進される事が発表された。

参考URL:IoT高齢者見守りシステム構築業務委託に係る公募型プロポーザルの実施について|能美市 (city.nomi.ishikawa.jp)

※3 CEATECスマートホーム部会・エコーネットコンソーシアム展示ブースおよびコンファレンス概要
<展示ブース>
展示主催:JEITAスマートホーム部会及びエコーネットコンソーシアム共同出展
内  容:イエナカデータ連携基盤が生み出す新しいサービスや背景にある最新の技術を紹介
展示場所:幕張メッセ HALL6 パートナーズパーク内 ブース番号:P012
<コンファレンス>
「はじまる!デジタル田園都市のイエナカデータ連携」
(2023年10月18日(火)15時30分~17時00分 幕張メッセ トークステージ)
スマートホームは、IoT家電・ネットワーク機器等により生み出されるデータを活用した魅力的なサービスを生み出す新たな市場であり、この度、石川県能美市をフィールドとしたイエナカデータ活用プロジェクトが全国に先駆けて行われます。本セッションでは、デジタル田園都市におけるイエナカデータ連携事業内容を紹介するとともに、スマートホームの今後の展望について解説をします。
■基調講演
・「石川県能美市 スマートインクルーシブシティ構想」
 講師:石川県 能美市長 井出 敏朗 氏
・「石川県能美市におけるIoT高齢者見守りシステム構築事業」
 講師:IoT高齢者見守りシステム構築事業 プロジェクトマネージャ 長沢 忠郎氏
    (シャープ株式会社)
■パネルディスカッション
登壇者:
・井出 敏朗 氏 (石川県 能美市 市長)
・白石 奈緒樹 氏
 (一般社団法人電子情報技術産業協会 新サービス創造データ連携基盤検討会 座長)
・長沢 雅人 氏
 (一般社団法人エコーネットコンソーシアム 普及委員会 委員長)
・市来 利之 氏
 (コネクティッドホーム アライアンス 理事長)
・長沢 忠郎 氏
 (IoT高齢者見守りシステム構築事業プロジェクトマネージャ(シャープ株式会社))
モデレータ:
 丹 康雄 氏
 (国立大学法人 北陸先端科学技術大学院大学 副学長 教授/JEITAスマートホーム部会長) 

※4 ECHONET 2.0
ECHONET 2.0は、クラウド時代におけるサービス間連携の在り方を拡大し、ECHONET Liteをベースとしたプラットフォームの発展を通じて、多種多様な新サービスの創造によるSDGsへの貢献を目指します。

参考URL:
ECHONET 2.0 (https://echonet.jp/echonet_20/)|エコーネットコンソーシアム

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