製造業向けのデータ活用ソリューション「Duetics(デュエティクス)」を展示しました。製造現場にあるPLCや各種センサーなどのデータを「収集」「可視化」「分析」し、不良品や機器故障の原因特定、ひいては生産性・品質向上につなげるものです。特に「多変量解析アプリケーション」を用いた「分析」のデモンストレーションに力を入れました。ミニチュア工場を動かしながら、生成AIを活用した新機能も含め、現場データをどのように高速かつ安全に扱えるかを体感していただけるように工夫しています。
「Duetics」には最新のクラウド技術を活用し、大量のデータを高速かつ低コストで分析できる仕組みが備わっています。また、分析対象のデータは、お客様自身の管理環境のみで完結する仕組みを採用しており、当社が無断でデータへアクセスすることはありません。データの安全性を重視している点は製造業のお客様に特に評価いただいています。
2023年から各種イベントを調査・視察し、社内で議論を重ねました。その結果、製造業界だけでなく多様な業種の方々が来場するCEATECであれば、私たちのソリューションを幅広くアピールできると判断したのが大きな理由です。また、弊社としては今回が初めての単独出展でしたが、新たなチャレンジとしてぜひ出てみようという想いがありました。
ターゲットは「製造業DX、特にデータ活用」に取り組んでいる、もしくは今後取り組もうとしている中堅以上の製造業です。具体的には「“Duetics” の認知度向上」「新規リード顧客の獲得」「案件創出の機会」の3点を狙い、リード獲得数は500件を目標に設定していました。
ブースは常に来場者で賑わい、結果的に1,000件のリードを獲得できました。目標の2倍以上という数字に加え、すでに商談化が進み始めているものもあります。来場者と直接対話することで、製造現場の課題や求められている機能を具体的に聞くことができ、今後のプロダクト改善にも大いに役立つと感じています。
当社はSIerとして基幹システム開発のイメージが強く、製造現場向けのソリューションを持っていることはあまり知られていませんでした。今回のCEATEC出展を通して、その点を外部にアピールできたのは非常に大きいです。社内的にも「SCSKが単独でCEATECに出た」ということで注目が集まり、他部署の社員が多く見学に来てくれました。新しい取り組みを社内外に周知できたのは、出展の大きな成果です。
はい。CEATECは情報感度の高い多様な業界の方が来場されます。実際に製造業とは異なる分野の企業様でも、似た課題を抱えていたり、データ活用の可能性を模索されていたりするケースが多く、新しいビジネスチャンスを感じられました。
初めての単独出展ということもあり、過去に参加した展示会の経験を活かしつつ、ブースのレイアウト・装飾をシンプルにまとめ、実際に製品を「体験」できるデモを中心に据えました。SNSや展示会情報サイトで事前告知を行い、CEATEC公式のハッシュタグを活用することで来場者の興味を喚起し、実際にブースを訪れた方にはQRコードから名刺情報を登録いただく形で確実にリードを獲得できるようにしています。
実はほぼ同時期に「ものづくりワールド大阪」にも出展していました。そこで得られた反応や改善点などをCEATECの展示にもフィードバックしながら、互いに補完し合うように進めていました。展示内容は基本的に共通ですが、リード担当者を分けて運営することで、二つのイベントを並行して成功させることができたと感じています。
製造業のお客様の課題やニーズをさらに深く理解し、それを取り込んだ形で「Duetics」を進化させていきます。また、CEATECで得られた知見やコミュニケーションを通じて、新しい技術連携やコラボレーションの可能性も感じました。CEATECは最新の技術や製品が集まる場として、日本のデジタルイノベーションを牽引していると実感しています。今後もその発展に期待しており、弊社としても継続的に参加を検討していきたいです。
編集後記
初めての単独出展という挑戦にもかかわらず、SCSK様のブースは大盛況となり、目標の倍以上にあたるリードを獲得されました。ミニチュア工場や生成AIなど先進的な取り組みをわかりやすく体感させる演出によって、来場者の興味を大きく惹きつけた点が成功のカギといえそうです。
さらに、CEATECの幅広い来場者層との直接対話を通じて、製造業向けソリューションでありながら他業界にも発展可能性が見いだせたことは、大きな学びとチャンスにつながります。
CEATECは、デジタル領域でのイノベーションを求める多くの方々が集う場です。業種を超えた連携や新規顧客開拓を狙う企業にとって、大規模かつ認知度の高い本展示会に出展するメリットは大きいでしょう。SCSK株式会社様の取り組みが、今後CEATECへの出展を検討される方々の一助になれば幸いです。