HOME事例紹介eco design challenge【CEATEC ECO & Design Challenge 2025レポート】環境配慮とデザインの融合が、新たな展示体験を生む CEATEC 出展者によるパネルディスカッション 目次 登壇者 2025ブース概要 事例(1) シャープ 事例(2) ソニーグループ 事例(3) TDK 「体験価値」へ 空間デザインとの融合 CEATEC 2026に向けて 編集後記 eco design challenge 事例紹介 【CEATEC ECO & Design Challenge 2025レポート】環境配慮とデザインの融合が、新たな展示体験を生む CEATEC 出展者によるパネルディスカッション TDK株式会社シャープ株式会社ソニーグループ株式会社出展事例 2026年7月14日(火曜日) 登壇者 モデレーター 越川 延明 氏 一般社団法人 日本イベント産業振興協会 サステナビリティ推進委員会 委員長 / 株式会社 セレスポ スピーカー 後藤 和男 氏 CEATEC実行委員会 委員長 / 日本電気株式会社 吉元 有美 氏 シャープ株式会社 ブランド戦略本部 ブランド戦略推進部 主任 宮下 雄介 氏 ソニーグループ株式会社 クリエイティブセンター プロデューサー 佐々木 寿子 氏 TDK株式会社 戦略本部 広報グループ 課長 受賞3社が表現した「サステナブル×デザイン」の2025ブース概要 越川氏: 本日はご参加いただきありがとうございます。CEATECが2025年から日本イベント産業振興協会(JACE)の協力のもとスタートした「CEATECエコ&デザインチャレンジ」は、単なる環境配慮にとどまらず、来場者がワクワクする展示体験とサステナビリティへの配慮を両立した展示を表彰する取り組みです。まず、昨年の各社の展示概要について、ご紹介いただけますでしょうか。 シャープ:体験展示を核とした「現物主義」と新スローガンの可視化 吉元氏(シャープ): 弊社は中央に新しいコーポレートスローガン「ひとの願いの、半歩先。」を配置し、BtoCの「暮らすゾーン」とBtoBの「働くゾーン」をシームレスに配置しました。環境配慮の面では、折りたたむと10cmほどにコンパクトになり可搬性に優れた、白い蛇腹(アコーディオン)構造の「molo(モロ)」という素材を天井ファサードに採用しています。また、これまで来場者からの実物展示への好意的なご意見を受け、展示物の90%以上(25点中23点)を実際に体験できる展示とした、「現物主義」の出展にこだわりました。 SHARP ブース写真 ソニーグループ:仕切りをなくした「開かれた体験」とアクセシビリティ 宮下氏(ソニーグループ):弊社は、社内外のイノベーション創出支援を行うSony Acceleration Platformが掲げる「Beyond the Boundaries」というテーマを空間デザインとして具現化しました。具体的には、透過性のあるファブリックを多用して構造物の仕切りを大きく減らし、来場者が入りやすく会話が生まれやすい空間を目指しました。アクセシビリティ設計にも配慮し、多様な来場者に開かれた展示体験の実現を図りました。 ソニーグループ ブース写真 TDK:ダイナミックな映像表現で新たなブランドメッセージを世界へ発信 佐々木氏(TDK):弊社は新しいブランドアイデンティティと「In Everything, Better」というタグラインを、世界で初めて展示会としてCEATECにおいて発表しました。大型LEDビジョンを活用することで木工や廃材を極力低減し、ダイナミックな動画でTDKのトランスフォーメーションを表現しました。また、使用した什器はモジュール化されており、国内の他展示会でも再利用しています。デモ機やプレゼン資料についても、世界各地の拠点間で展開できるようデザインをスタンダード化しており、アメリカのCESやドイツのエレクトロニカでも活用しています。 TDK ブース写真 環境配慮を「制約」ではなく「体験価値」へ 越川氏:続いて「環境配慮」について深掘りしていきましょう。皆さんはブース単体だけでなく、物流や制作プロセスなど全体でどのような工夫をされましたか? 吉元氏(シャープ): 弊社ではイベント運営における環境負荷の低減が、必須の検討項目として社内で定着しています。昨年2025年は展示手法にも新規性を取り入れたいという与件を、ビルダーさんへのオリエンテーションに加えた結果、新しい素材「モロ」の提案をいただくことができました。設計から最後の撤収に至るまで、前後のプロセス全体で環境負荷の低減を意識しました。 佐々木氏(TDK): 新しいブランドの発信力と環境負荷低減という、相反する課題への挑戦でした。製作プロセスの川上から輸送効率を意識した設計を行い、物流の最適化を図りました。物理的なデモ機は世界中で循環させて再活用する一方で、プレゼン資料などは、グローバルで知見を共有しつつ、各地域の市場ニーズや来場者特性に合わせてその都度最適に加工して展開しています。『世界共通の効率性』と『地域ごとの対話』を両立させることが、グローバル企業としての誠実な環境配慮の形だと考えています。 宮下氏(ソニーグループ):弊社では環境配慮を一般的に制約と捉えがちなところを、「体験価値を高める要素」として捉えながら設計を進めました。大きな構造物を減らすことで負荷を抑え、展示パネルにはソニーが開発した環境に配慮した紙素材「オリジナルブレンドマテリアル」を、スタッフのユニフォームには天然由来の多孔質カーボン素材「Triporous™」を採用しています 。今後は、設計・施工・運営・廃棄までを展示全体の「循環設計」として組み込み、さらに進化させていくことが課題だと考えています。 ビジュアルアイデンティティと空間デザインの融合 後藤氏(CEATEC実行委員長): ここからはデザイン性や体験設計について伺います 。環境配慮とデザインを形にしていく上で、パートナー会社(施工業者)とのディスカッションや苦労話はありましたか? 宮下氏(ソニーグループ):弊社は空間自体を目立たせることよりも、「お客さまの記憶にどう残るか」という滞在のしやすさや、グループ全体で掲げる「感動体験」を重視しました。汎用品に比べてコストや準備期間といった点で、制約はありましたが、ここでの取り組みがブランド価値に繋がると考え、協力会社の皆様にも持続可能性に対する思いを説明し、ご協力をいただきました。 吉元氏(シャープ):弊社では、デザイン性と環境性能のどちらも必ず叶えたいものとして社内でマインドセットができていました 。新たなミッションにかける情熱を伝えるため、天井にコーポレートカラーの赤いリボンを走らせ、人々の思いに寄り添うブランド姿勢を表現しました。さらに説明員も空間を構成する一要素と位置づけ、ユニフォームとストラップを同配色にすることで、全体感からディテールまで一貫した世界観でお客様を迎えました。 佐々木氏(TDK):弊社は今回、ブランドの刷新を体現する場として、高いデザイン性と環境基準が求められました。ブース施工の環境面に関してはパートナー会社(施工業者さん)の知見を最大限に活用させていただきました。その上で、事業活動での再エネ100%化と、電子部品による電力消費低減という『サステナビリティの2軸』を、大型映像や展示を通して直感的に理解いただける体験へと落とし込みました。 次回、CEATECに向けての抱負 越川氏: 各社のお話を伺い、環境とデザインは相反するものではなく両立し、活かし合うことで効果が生まれるものだと改めて分かりました。最後に、次回のCEATECに向けた抱負など、一言ずつコメントをお願いします。 佐々木氏(TDK):他社様のお話を伺い、より環境を重視し、サステナビリティを意識したブース制作をしたいとモチベーションが高まりました。昨今、AIの普及に伴う電力消費増などが社会課題となっていますが、TDKの電子部品がその課題を解決し、世界をより良く(Better)できると確信しています。次回のCEATECでも、その技術がもたらすサステナブルな未来を、よりダイナミックな体験設計で形にしていきたいと思います。 宮下氏(ソニーグループ):各社アプローチは異なるものの、「体験価値」を大切にしながらサステナビリティとデザインを両立させている点が非常に印象的でした。環境配慮を真剣に考えることが、最終的には来場者のワクワクやブランド価値向上に繋がると感じたので、今後もグループとして取り組んでいきたいと思っております。 吉元氏(シャープ):昨年2025年のエコチャレ受賞に際し、「説明員の対応が学生を含む幅広い来場者に分かりやすい」という大変嬉しい講評をいただき、翌日の朝礼で共有したところ、社内の大きなモチベーションに繋がりました。今後も、社是として掲げる「誠意と創意」のもと、人に寄り添う姿勢を大切に展示に臨みたいと思います。 後藤氏(CEATEC実行委員長):ブース設計から運営まで「来場者を軸にした体験」としてサステナビリティを組み立てていくことが重要なポイントだと再確認できました。ぜひ多くの企業の皆様にこの「エコチャレ」にエントリーしていただきたいですし、出展されない方も会場へ足を運び、各社のサステナブルな姿を是非とも見に来ていただきたいと思います。 編集後記 従来、環境配慮とデザインは相反するものと思われがちでしたが、これらが融合し、各社のブランドメッセージや体験価値のユニークさを追求することに繋がることが見えてきました。「エコ」と「デザイン」の両立が魅力的な展示空間を生み出します。今年の10月に開催されるCEATEC 2026でも、魅力的な展示ブースが1つでも多く増えることを楽しみにしています。 TDK株式会社シャープ株式会社ソニーグループ株式会社出展事例 HOME事例紹介eco design challenge【CEATEC ECO & Design Challenge 2025レポート】環境配慮とデザインの融合が、新たな展示体験を生む CEATEC 出展者によるパネルディスカッション RELATED POST eco design challenge 事例紹介 【CEATEC ECO & Design Challenge 2025 出展事例】シャープ – 新コーポレートスローガン「ひとの願いの、半歩先。」を体現したサステナブルブース 2026年6月16日 eco design challenge 事例紹介 【CEATEC ECO & Design Challenge 2025 出展事例】TDK – 新ブランドアイデンティティ「In Everything, Better」を世界初披露したサステナブルブース 2026年3月12日 eco design challenge 事例紹介 【CEATEC ECO & Design Challenge 2025 出展事例】NECパーソナルコンピュータ – 製販一体化の再スタートを飾った「信頼をアップデートする」ブース 2026年3月5日