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【CEATEC 2024 出展事例】 東日本旅客鉄道株式会社(JR東日本)様

JR東日本

出展事例

2025年2月6日(木曜日)
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この記事を3行でまとめると…

  1. JR東日本は「JEMAPS」や「JR East Travel Concierge」など、鉄道ビッグデータや生成AIを活用した6つのコンテンツをCEATEC 2024で披露。
  2. 出展の目的は社内外への認知度向上と新たなビジネスパートナーとの連携を図ることで、2000人以上に説明を行い、デジタルマーケティングソリューションでは8件の具体的な商談につながった。
  3. 社員間の連携促進やサービスの改善にも役立ち、鉄道以外の分野との共創を見据えてさらなるブラッシュアップを進めている。

出展者プロフィール

Interviewer profile東日本旅客鉄道株式会社
イノベーション戦略本部 デジタルストラテジー推進ユニット
兼 Digital & Data イノベーションセンター
佐々木 駿英 氏

東日本旅客鉄道株式会社
イノベーション戦略本部 デジタルストラテジー推進ユニット
兼 Digital & Data イノベーションセンター
湯浅 光平 氏

CEATEC 2024における、貴社ブースの出展内容についてお聞かせください。

当社からは、以下6つのコンテンツを出展いたしました。

1. JEMAPS

世界最大級の鉄道ビッグデータに、災害・気象・交通・施設の各種データを統合したデジタルツインプラットフォームです。今回は3D映像を大型ディスプレイで投影し、リアルタイムに列車の運行状況や混雑度がわかる点をご覧いただきました。

2.JR East Travel Concierge

生成AIを活用したインバウンド向けの旅行計画支援アプリです。チャット形式でやり取りしながらスポット提案や旅行プラン作成が可能で、日本文化に関する疑問や不安に答える機能も搭載しています。10月まで実証実験を行い、今後の本格提供を検討中です。

3.車両VR

引退した鉄道車両をデジタルデータで再現し、VRで体験できるコンテンツです。今回は115系電車を題材に、当社の博物館や各種イベントでも活用している取り組みを出展しました。

4.観光案内AR

イベント会場や観光地の案内などに使えるARコンテンツです。専用アプリから駅周辺の観光情報やスタンプラリーなどを表示でき、すでに社内での利活用も進んでいます。

5.デジタルマーケティングソリューション(Suicaデータ活用)

  • JRE Ads:移動・決済データをもとに広告を最適化するWeb広告サービスです。
  • タッチトリガー:改札の入出場時に通知を送るなど、新たな情報配信のきっかけを生み出すソリューションです。

6.お客さまの車両への接近を検知するシステム

ワンマン運転の安全性を高めるため、車両側面カメラを活用してホーム上のお客さまの動きを検知する研究開発段階のシステムです。

これらのうち、「車両VR」「観光案内AR」「JEMAPS」はまだ社内活用が中心で、「JR East Travel Concierge」は実証実験を終えたばかりです。研究開発中の「お客さまの車両への接近を検知するシステム」を含め、社会に広く展開していくためのパートナー探しを目的に、CEATEC 2024で披露しました。

CEATEC 2024に出展された背景や目的を教えてください。

当社ではグループ経営ビジョン「変革2027」の下、外部の技術や新しい技術を積極的に取り入れることで、イノベーションに挑戦しようとしています。鉄道会社というイメージを超えて、「デジタル」「リアル」「オープンイノベーション」の3つをかけ合わせ、新たな価値を創出するのが目標です。
CEATECは日本有数の大規模展示会であり、幅広い業界の方々が集まります。そこで当社の取り組みを多くの皆さまに知っていただき、新たなビジネスパートナーや共創の機会を得ることが大きな目的でした。昨年も出展し、好評を得られた実績があることから、今年も出展を決定しました。

事前に掲げていたテーマや目標などはありましたか。

具体的な数値目標は掲げていませんでしたが、昨年を上回る来場者の方に当社のアセットやソリューションを認知していただきたいという想いがありました。
ノベルティや展示リーフレットを従来よりも多く準備し、ブース内のQRコードで来場者数を可視化しようと試みたものの、実際には読み取り漏れもあり正確な数の把握は難しかったです。それでも2000人を超える方にご説明でき、デジタルマーケティングソリューションでは8件の具体的な商談が生まれています。

実際に出展されてみて、どのような成果がありましたか。

  • 2000人以上の来場者に、当社の技術やサービスを直接ご紹介できました。
  • 特にデジタルマーケティングソリューションは8件の商談獲得につながり、早速具体的な話が進んでいます。
  • 一般公開していない「JEMAPS」や「車両VR」などに対しても、多くの方から意見やニーズをいただきました。サービス開発のブラッシュアップに活かせそうです。
  • 昨年度に比べて当社の取り組みが社内外に認知され、昔の知人からも連絡が来るほど効果があったと感じています。

出展による社内外の評価や、注目してほしいポイントは何でしょうか。

注目してほしいのはやはり「JEMAPS」と、生成AIを使った「JR East Travel Concierge」です。

  • JEMAPSは大型スクリーンでの3D映像が目を引き、実際に路線を動いている様子や混雑度がリアルタイムにわかることで、多くの来場者が足を止めてくださいました。
  • JR East Travel ConciergeはCEATECのテーマでもあるAIを活用しており、旅の計画をより快適にする新しい提案が可能です。インバウンドのお客さまにも使っていただけるよう、多言語対応などを念頭においています。

これまで「鉄道の会社」という印象が強かった当社が、デジタル技術を基盤に多彩なソリューションを展開している点に興味を持っていただけたと感じます。

CEATEC全体の魅力や、今回の出展を振り返った感想をお聞かせください。

日本最大級の展示会ということもあり、本当に幅広い業種の方が集まっているのを実感しました。ブースに足を運んでくださった方のご職業や興味が多岐にわたるので、色々なお声を直接いただけたのは大きな収穫です。
また、毎年最新のトレンドにあわせたテーマが設定されており、今回はAIがフォーカスされていました。当社の「JR East Travel Concierge」が生成AIを用いていることもあり、来場者の方々との会話も非常に盛り上がりました。こうした新しい流れを活用できるのはCEATECならではの魅力だと感じています。

今後の取り組みや展望について教えてください。

今後も「変革2027」のビジョンに沿って、リアルとデジタルを組み合わせたイノベーションを積極的に進めていきます。「JR East Travel Concierge」のように生成AIを活用する領域はまだまだ伸びしろがあり、旅の計画だけでなく、旅ナカや旅後の体験も快適にするサービスへ成長させるべく準備をしています。
「JEMAPS」や「観光案内AR」「車両VR」などは、社内利用が多いものの、いずれは外部の方々との連携や共同プロジェクトにも展開していきたいですね。安全性向上を目指す新技術開発も引き続き推進し、多様なパートナーとの協業チャンスを探っています。

編集後記

JR東日本様は、鉄道ビッグデータや生成AIを活用した先進的なソリューションをCEATEC 2024で披露し、多くの来場者からの関心を集めました。鉄道会社としてのリアルなアセットを活かしながら、新技術との融合によりイノベーションを起こしている点が大きな特長です。実際に商談につながった具体的事例も出ていることから、同展示会は出展者にとって、幅広いビジネスパートナーや新たなアイデアを得られる場であると言えるでしょう。
CEATECでは多様な業界の企業が集まり、最新の技術トレンドが交差することで、社会課題の解決に向けた新たな取り組みが生まれています。こうした場を活用することで、自社のサービスや技術をより広く知ってもらい、次のステージへと発展させる機会にしてみてはいかがでしょうか。

JR東日本

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